FC2ブログ

子宮体癌術後日記  **ぴょんぴょんがキャンサー・サバイバーになるまで**

親しい人とのお別れ、新たな病気の発覚、癌再発??etc。いろいろあった子宮体癌術後5年間の全記録です。

告知

とあるがんサイト掲示板にあった「親戚の人ががんになり、その場で告知されたそうです。どうして本人に言ってしまったんでしょう! 今ってそうなんですか?!」と、投稿者の怒りが少々感じられる投稿を見て、いろいろと考えた。

告知しないで治療する場合、もしもわたくしが患者の家族だったらどうするか。
例えば、わたくしの母が子宮がんになって、手術が必要だけれど、がん告知はしないことにする、と仮定しよう。

まず、がん以外の病名をつけるのは必須。
そして、他の患者との接触は一切できないようにする。
入院中は個室に入れ、わたくしも24時間ずっと付きっきりで「身内で介護」という名目の「監視」をする。
それはなぜか。

病院には、子宮がんを告知されて入院している人もいる。
その人たちとディルームなどでお友達になった母が、話のついでに相手から「私は子宮がんなんです、あなたはどこが悪いの? 私と同じ点滴ね」なんて言われて、自分の病名に疑問を持ったら困る。
お見舞いの人に「私の知り合いはこうだったよ」とへんてこりんな知識を授けられるのも困る。
病院関係者を除き、誰にも会わせないようにしなくちゃ。

Drやナースにも、よくよく頼み込んで口裏を合わせてもらわねばならない。
たくさんの医療従事者がシフトを組んで働いているはずなので、どうやったら全員に話を通せるのか、頭が痛いところ。
うっかりヘンなことを言われないよう、これまた付きっきりで目を光らせていなくちゃならなさそう。
患者はちょっとしたことで感づいたりするから、本当に気が抜けない。

また、患者にカルテを持ち歩かせたり、比較的容易にカルテ開示に対応してくれる病院もあるので、偽の病名とその治療記録を記した表カルテと、本当の病名を記した裏カルテが必要になるかもしれない。
Drはそういうところ、協力してくれるのかなぁ?

母には、電話もインターネットも一切使わせないようにしなくちゃ。
テレビも見せられない。
がんがテーマの番組やってたら困るもん。
見て、感づいちゃったらヤバイもん。

がんや子宮の病気に関する本も、絶対に読ませないように神経遣って排除しないとダメですね。
今は、情報が溢れている。
手術の詳細について記載されている情報もゴロゴロある。
そういうのを見て「自分の受けた手術って、子宮がんの手術方法と同じみたい?」と疑問を持たれたら困る。

「治療薬を使ったら気持ちが悪くなって吐き、脱毛した」「治療で放射線をあてた」と聞いて、だれもが思い浮かぶであろう病名は「がん」なので、もしも後治療が必要になった場合、本当の病名をどうやって隠し通せばいいかわからない。
なので、後治療は諦めるしかないかも…。

さて。
入院して個室に監禁(?)状態にされ、お見舞いの人は誰一人として来ない。
電話はかけられず、テレビは見られず、娘のぴょんぴょんが24時間ぴったり引っ付いている。
母は絶対に「何かがおかしい」と思うに違いない。
そこで、なぜお見舞いの人が来ないのかetc、彼女がすんなり納得する説明・言い訳をひねり出さねばならない。
親はわたくしより人生経験があるので、子供だましの話は通じないだろう。

患者に病名を隠し通すことを選んだ家族には、本当らしい嘘を即座にポンポンと作り出せる回転の早い頭脳と、個室代を払いきれる財力が要求されるみたい…。
そして、アカデミー賞ばりの演技力と、嘘をついているという良心の呵責に耐えられる強固な精神力も必要そうだ。

治療法が複数ある場合に「どっちがいい?」と本人に意志確認はできない。
患者の命やQOLを、他人であるわたくしが選択することになる。
その責任の重さも一手に引き受けることになる。

そして、いろいろと苦労しても、嘘がバレた時には、患者からの信頼は一気に失われる。
そこらへん、どうクリアするかな~。

う~ん。
わたくしが患者だったらやっぱり、包み隠さず告知していただいて構いませんので。
周囲が病名を隠すことに費やす労力、費用、精神力は、もっと別のことに使って欲しいきぼんぬ。

ってか、告知にもいろいろと問題はあると思うけれど、告知しないでがん治療する大変さに思いを馳せず、患者さんが受診する時に付いて行かなかった人が、身内が告知されたって怒るのも、よくわかんない…。
スポンサーサイト



  1. 2004/08/11(水) 23:30:00|
  2. がん患者として思うこと|
  3. トラックバック(-)|
  4. コメント(-)